未分類

温泉療法

温泉を利用して行う療法を「温泉療法」と呼びます。

温泉療法は、以下のような特徴を含めた複合療法となります。

・「温泉地」で行われること
・「温泉療養」温泉への入浴、飲泉、気候や食事などの様々な物理療法

温泉療法の歴史は古く、最古のものでは紀元前500年頃のギリシャで、硫黄泉に入浴していたという記録があります。

さらに、今から約2000年前の古代ローマの温泉地では、戦で傷ついた兵士の癒しの場としてだけではなく、浴室の他に社交場、図書館、遊技場、談話室などの設備も備え、さながら現代日本のスーパー銭湯のような場所として楽しまれていました。
有名な浴場には「カラカラ大浴場」があります。

 

海外、特にヨーロッパでは「飲泉」としての利用がメインとなっている温泉地が多くみられ、温泉水を適時飲む、などの療法が行われています。

基本的に温泉地に長期滞在し、治療に向き合いますが、特に春から初秋にかけてが療養シーズンとされていて、各温泉地は賑わいをみせます。

成分の分析などが進むようになった現代では、効果が確かめられた療養地では「適応」や「禁忌」が示されています。

それぞれの温泉地に「適応症」の専門医が常駐し、3週間を1クールとして保険適用内で、指導や診察を行うなどの治療がなされています。
また、温泉地によってはホテルにおいても食事療法としての取り組みを行い、それぞれの症状にあった食事を提供しています。

ドイツやオーストリアなどでは健康保険の適応内で療養が行われていましたが、近年は財政難により対象となる期間が短縮される傾向があるようです。

 

日本では「入浴」としての利用がメインとなっており、古くより療養目的で温泉地に長期滞在する「湯治(とうじ)」と呼ばれる療法が行われてきました。

日本に古くからある温泉を「日本三古湯」と呼び、愛媛県の道後温泉、兵庫県の有馬温泉、和歌山県の白浜温泉があります。
中でも最も古いものは道後温泉で、「日本書紀」や「万葉集」にも記述があり、聖徳太子も訪れたとされています。

また、世界一歴史のある宿泊施設としてギネスブッックに認定された温泉宿は、山梨県にある1300年以上の歴史ある旅館となっています。
火山が多く、温泉が湧き出る土地の多い日本では各地に温泉がみられ、古くから人々にとって憩いや癒しの場となってきました。

 

日本の温泉は「温泉法」という法律で定義されていて、以下のように定められています。

・地中から湧き出る温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)であること
・水温が25度以上、または、含まれる物質として19種のうち 1つ以上が、定められた 基準値を上回っていること

 

温泉のもたらす効果・作用

温泉治療は心身に刺激を与え、体全体の防御能力を高める自然療法です。

複数の要因から体が自らの力で整えようとする様々な反応がみられるため、温泉の成分だけで効果を判断してしまうのは難しいとされていますが、具体的に考えられる作用には以下のようなものがあります。

・「温泉の温度」の作用・・・微温浴(38度前後)は鎮静的にはたらき副交感神経優位になり、高温浴(42度以上)は興奮的、刺激的にはたらき、交感神経優位になります。

・「含有成分」の作用・・・温泉中の微量の化学物質が皮膚を経て体内に入り血管を拡張し、長時間の温熱効果が高まります。

・「浮力」の作用・・・全身浴では体重は9分の1になり、運動を行いやすくなります。

・「水圧」の作用・・・肺循環器に作用します。

・「摩擦抵抗」の作用・・・歩行に抵抗が発生します。

・「生体機能変調」作用・・・温泉浴や物理療法の刺激が繰り返し与えられ、温泉地へ赴くこと自体の環境変化によるストレスからの解放など、様々な変化に適応していくことで、自律神経や内分泌系を通して病の症状が正常化していきます。

さらに抵抗力が増し、免疫力が強くなって、健康増進へとつながっていきます。

 

設定期間や手技は症状により様々です。

手技には浴療法(全身浴、半身浴、座浴、足浴(足湯)、高温浴、微温浴、低温浴、運動浴)、飲泉療法、吸入療法、うがい療法、特殊療法(鉱泥浴、蒸気浴、気泡浴、渦流浴、圧注浴、パラフィン浴など)があります。

設定期間は症状や手技によって様々ですが、1日に1〜2回、入浴時間は1回につき5〜10分、療養期間は数日〜1ヶ月程度の場合などが目安となります。

 

※対象者※

・関節自身の痛みや関節周辺の組織障害をおこす症状・・・関節リウマチ、変形性関節症、神経痛、五十肩、腰痛など
・脳手術後の片麻痺・・・脳出血、脳梗塞による四肢の運動障害、運動麻痺など
・外科領域(傷の治癒)・・・痔、床ずれなど
・呼吸器疾患・・・慢性気管支炎、喘息など
・皮膚疾患・・・アトピー性皮膚炎など
・精神向上・・・元気づくり、ストレス解消など
・その他・・・肥満、冷え性、便秘、貧血、高血圧、糖尿病、痛風、肝臓病など

 

日本でも、ヨーロッパの温泉地のような総合的な治療を目指す動きが各温泉地で始まっています。

日本温泉気候物理医学会によって医師を対象とした温泉療法専門医が認定されて、代替医療としてのさらなる発展が目指されています。

一例として、厚生労働大臣によって認定された「温泉利用型健康増進施設」があります。

この認定施設を利用して温泉療養(具体的には、認定施設の提携医などが作成した「温泉療養指示書」にそって、1カ月におよそ7日以上利用すること。利用が終了したら、施設から「温泉療養証明書」と施設利用料の領収証を受け取ること、など)を行った場合、施設の利用料金、施設までの往復交通費について、所得税の医療費控除を受けることができます。

温泉利用型健康増進施設とは、簡単に説明すると温泉とフィットネスジムの両方の機能が備わっているような施設のことで、現在日本国内に23箇所(2020年現在)あります。

利用者の健康促進と、その施設のスタッフに公的資格を与え職種としての確立をはかることで、安心して働ける場を提供することにも繋がり、地域への貢献も期待されます。

 

参考

・医療従事者のための補完・代替医療 改訂2版 今西二郎 編集

・日本温泉協会 温泉名人

温泉療法医について

・日本温泉気候物理医学会
https://www.onki.jp/

・芝浦内科クリニック
http://shibaura-naika.com/weblog/archives/2010/04/post-57.html

・リハビリテーション医療における補完代替医療の可能性
温泉療法とリハビリテーション医療
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/12/55_55.997/_pdf/-char/ja

・NPO法人 健康と温泉フォーラム
http://www.onsen-forum.jp/forum/

・日本健康開発財団
https://www.jph-ri.or.jp/research/zousin/index.html

・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou04/02.html

-未分類
-, , , , , ,

Copyright© , 2021 All Rights Reserved.