内分泌内科 脳神経外科

下垂体前葉機能低下症(告示番号 78)

下垂体前葉機能低下症とは?

下垂体は脳にぶら下がる器官で、前葉と後葉からできています。様々なホルモンを分泌する器官で生命の維持にとても重要な役割を担っています。前葉からは6種類のホルモンが出ています。 成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)、プロラクチン(催乳ホルモン)です。このとても重要名器官である下垂体の前葉が何らかの障害を受け機能が低下し、出るべきホルモンが分泌されにくくなってしまうことがあります。これを下垂体前葉機能低下症と言います。出なくなるホルモンにより出てくる症状は違いますが研究が進められることが期待され国で難病指定されています。

 

患者さんはどのくらいいるの?

平成20年には患者数は7000人でした。が、出てくる症状が様々なため、患者数の全容把握が難しく実際にはもう少し多いと思われます。

 

原因は?

下垂体などの腫瘍が影響しているパターンが半数近く多いとされています。他にも炎症性の疾患や、頭部の外傷、原因不明の場合は何らかの免疫異常であると考えられています。

 

どんな人に多いの?

下垂体やその周辺の器官の障害によって引き起こされるため、好発する年齢などはありません。昔は出産の際の出血が原因で引き起こされたりしていましたが最近では医療の発達によりそのようなことは起こりません。

 

遺伝するの?

遺伝する病気ではありません。ただ血縁者に同じ病気の人がいる場合は何らかの遺伝子の異常が関係していると考えられます。

 

どんな症状が出るの?

分泌されにくくなるホルモンにより症状は異なります。
○副腎皮質ホルモン…副腎不全症状が出ます。疲れやすくなったり、頭がぼーっとしたり、食欲がなく痩せたりします。意識がなくなってしまうなど危険な症状も起こります。
○甲状腺刺激ホルモン…甲状腺機能低下症状が出ます。 低体温、寒がり、皮膚の乾燥する、毛が抜ける、脈が遅い、声が低くなり喋り方がゆっくりになる、集中力、記憶力がなくなるなどの、症状です。
○成長ホルモン…
小児の場合は低身長などの成長障害が起こります。
成人の場合は体脂肪が増加したり、筋肉が減少したり、骨粗鬆症、スタミナ低下などの症状が起こります。
○性腺刺激ホルモン(アンドロゲン、エストロゲン)…
小児の場合、思春期になっても二次性徴が出てきません。
成人男性の場合、性欲が低下したり、ED、男性不妊などの症状が現れます。
成人女性の場合、無月経や不妊などの症状が現れます。
○プロラクチン…女性は授乳、母乳な分泌されなくなります。男性は明確な症状はありません。

 

診断はどうするの?

血液検査は各ホルモンの血液濃度を調べることでどのホルモンが分泌されていないかを調べます。尿検査で尿の中のホルモンを測定することもあります。
また原因の一つである下垂体前葉などの腫瘍がないかどうかを調べるためCTやMRIなどの画像検査も行います。腫瘍が見つかった場合、さらに他の器官にも腫瘍がひろがっていることも考えられるため、心電図検査、X線検査、眼底検査など多岐に渡る検査が必要になります。

 

治療はどうするの?

原因となる炎症や腫瘍が見られる場合は、まずその部分を治療します。その上で足りていないホルモンを注入することで補っていきます。
副腎皮質ホルモンや甲状腺刺激ホルモンは年齢、性別関係なく生きていくのに一生必要なホルモンですので、それぞれ内服で補います。
成長ホルモンは小児であるか成人であるかなど条件により補充治療方法が変わります。
性腺刺激ホルモンは内服や注射で補充しますが、子供がほしい人はまた治療法が変わります。
プロラクチンは治療はしないことになっています。

 

経過はどうなるの?

炎症や腫瘍の治療、そして足りないホルモンを補充することで病気ではない人と変わりない日常生活を送ることができます。ただ、下垂体の機能が自然に回復することはあまりなく、ほとんどの人は生涯にわたりホルモンの補充が必要となります。調子がいいからと治療を自己判断で中断したり、病院に通わなくなったりすると大変危険です。しっかり通院と治療を続けましょう。

特に副腎皮質ホルモンを補充している場合、感染症、発熱、外傷、手術などの強いストレスの加わった状態になると内服量を増やさなくてはなりません。主治医としっかり話し合い都度治療を見直す必要があります。

 

最後に

 

 

<参考文献>
ガイドライン
研究グループ

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