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皮膚筋炎/多発性筋炎(告示番号 50)

皮膚筋炎/多発性筋炎とは?

疲れや筋肉に力が入らないなどの症状が特徴的な病気です。心臓を動かす「心筋」と体を動かす「骨格筋」で構成される横紋筋(おうもうきん)が傷害される免疫異常の病気です。
通常は外部からの異物やウイルスなどを攻撃する免疫細胞が、何らかの形で異常をきたし、自らの体を攻撃してしまうことで様々な病気を引き起こしています。
皮膚症状が強い場合は皮膚筋炎、筋肉の症状が強い場合は多発性筋炎と呼びます。合併症として間質性肺炎、心筋障害、悪性腫瘍があるため、命に関わる病気です。治療していれば日常生活も送ることができますが、完治はしないため国で難病指定されています。

 

患者さんはどのくらいいるの?

国内での患者さんは22000人以上です。人口10万人あたり2人〜5人と言われています。これは人口10万人の大阪府泉佐野市で例えると、同市には2人〜5人の患者さんがいるということです。あまり多くはありませんが、1991年の調査では6000人であった患者数が3倍以上に激増しているので今後も増える可能性があると考えられています。

 

原因は?

患者自身の免疫細胞の異常と考えられています。本来は自分自身の体を守るために働く免疫細胞が自分自身を傷つけてしまう免疫異常の病気は原因が分かっていません。何らかの素因を持つ人に何らかの環境(ストレス、感染症、妊娠、ケガなど)が整うと発症してしまうようです。

 

どんな人に多いの?

女性に多い病気で、男性との対比は1:3です。発症のピークは40代ですが、小児期にも小さなピークが5歳から9歳にあります。小児期(15歳未満)の発症は全体の3%です。ただ、小児期は病状が特徴的なので一般的な皮膚筋炎・多発性筋炎とは分けて考えられることもあります。

 

遺伝するの?

病気自体が遺伝するということはないと考えられています。ただ、なりやすい素因は遺伝するとされています。研究が進むことが望まれています。

 

どんな症状が出るの?

主な筋肉の症状と皮膚の症状です。どちらかが強く出る人もいますし、両方同じぐらい出る人もいます。数週間から数カ月かけて症状が進行していきます。

○筋肉の症状…力が入りにくい、疲れやすいなどの症状が少しずつ進行していきます。筋肉が痛むこともあります。この筋肉の症状は胴体に近い部分に起こりやすい傾向があります。首や二の腕、太ももなどです。太ももの筋肉に病変が見られるとしゃがみにくくなり、二の腕だと手を上にあげにくくなり、首だと嚥下(えんげ)障害と言って食べ物を飲み込みにくくなります。

○皮膚の症状…赤い発疹がまぶたにできて腫れぼったくなるヘリオトロープ疹、手の指や肘、膝などが関節部分が赤くガサガサになるゴットロン徴候、寒い時期など冷たい刺激によって手足の指先が白くなるレイノー現象、首から胸の部分に赤い発疹が出るV徴候、肩から上背部らへんに赤い発疹が出るショール徴候などがあります。これらは時にかゆみを伴うこともあります。

○その他の症状…関節痛、倦怠感、食欲不振など

○合併症…びまん性肺胞傷害による呼吸不全が起こり命の危険があります。他にも心筋症、非特異性間質性肺炎、胃癌、肺癌、乳癌、悪性リンパ腫などが見つかる場合もあります。

 

診断はどうするの?

診察、筋力検査で筋肉がどれほど衰えているのかを調べます。
ヘリオトロープ疹や、ゴットロン徴候などの特徴的な皮膚症状があるかどうか確認します。
血液検査では筋酵素であるCPKやアルドラーゼの値が上昇するかを調べます。これらの酵素は筋肉が壊れることにより増えるのです。自己抗体がみられるかどうかも調べられます。
筋電図では筋肉に微弱電流を流して筋肉の状態を確認します。
筋生検では筋肉の組織を切り取り顕微鏡で調べます。
他にも胸部CT検査、腹部CT検査、MRI検査などの画像検査も行う場合もあります。
合併症の検査も併せて行います。

 

治療はどうするの?

○副腎皮質ステロイド
内服にて副腎皮質ステロイドを使用するのが一般的な治療です。皮膚症状には外用のステロイド剤が使用されます。通常ステロイド剤を投与しながら症状など患者さん自身の状態を見ながら量を少しずつ減らします。症状が進行してしまっている場合は3日間大量のステロイド剤を点滴にて投与するパルス療法を行うこともあります。ステロイド剤には筋肉萎縮など様々な副作用があります。

○免疫抑制剤

ステロイド剤が使えない場合や、副作用がひどい場合、ステロイド剤が効かない場合には免疫抑制剤を使用します。急速に進む間質性肺炎が見られる場合は、初めからステロイド剤だけでなく免疫抑制薬も使用します。保険適用される免疫抑制剤もいくつか存在しています。

○静注用免疫グロブリン製剤

ステロイド剤や免疫抑制剤の効果が得られない場合使用されます。5日間連続で点滴静脈注射で投与し、様子を見ます。再燃する場合は初回投与から4週間経っていれば再投与できます。体重に対して量が決められています。

重篤な合併症が発見された場合は、その治療も加わります。特に間質性肺炎や悪性腫瘍を併発しやすい病気です。

 

経過はどうなるの?

ステロイド剤で9割の人は日常生活を送ることができます。が、間質性肺炎や悪性腫瘍などの重篤な合併症を起こしやすい病気なので、合併症があるかどうかがこの病気の経過に影響を与えます。発症してから治療開始までの期間が短ければ短い方がいいとされているので、似たような症状があれば病院で診察してもらうことをおすすめします。

 

最後に

 

<参考文献>
ガイドライン 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)
研究グループ 自己免疫疾患に関する調査研究班

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